
2025.08.15
遺言執行者からの相続登記申請
武蔵小杉で司法書士をしております木下尚子です。
今週はお盆休みを取っている方も多いのではないでしょうか。
私は一足先に休みを取り、月初から旅行に行ってきました。
そして帰ってきたときには世間がお盆休みに入るため、あまり業務に動きがないのをいいことに、旅行中に出来なかった仕事をせっせとこなす作戦でおりましたが、今のところスムーズに作戦を遂行中です。
ところで、遺言執行者という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
遺言執行者とは、遺言書に書かれた内容を実現するために、相続財産の管理をしたり、相続手続をしたりする人のことです。遺言者の意思を実行する人のこと、とも言えます。
遺言執行者になることができるのは、「未成年者及び破産者以外」の自然人や法人で、それ以外に法律上の制限はありません。相続人が遺言執行者になることもできますし、弁護士や司法書士がなることもあります。
遺言執行者を選定するには、遺言者が遺言で指定をするか、その指定を第三者に委託する、または利害関係人の請求によって家庭裁判所に選任をしてもらう方法があります。
そして、遺言執行者がその権限内において遺言執行者であることを示してした行為は、相続人に対して直接にその効力を生じます。
では、遺言者が、「〇〇の土地を長男Aに相続させる」という内容の遺言を作成していた場合、遺言者が死亡したあと、その土地の相続登記(名義変更)は誰が申請することができるのでしょうか。
実は、相続法が改正される前はこの登記を遺言執行者が申請することは出来ず、相続人であるAが申請(またはAが司法書士に登記を委任)するしかありませんでした。
しかし相続法が改正され、具体的には2019年7月1日以降に書かれた遺言書による場合には、相続人Aに加え、遺言執行者も単独で相続登記を申請(またはAか遺言執行者が司法書士に登記を委任)することが可能になったのです。
相続登記に必要な書類は下記のとおりです。
①登記申請書
②相続関係説明図
③遺言書(家庭裁判所での検認が必要な場合あり)
④遺言者の死亡の記載がある戸籍(除籍)謄本
⑤遺言者の住民票の除票または戸籍の附票(除附票)
⑥Aの戸籍謄本
⑦Aの住民票または戸籍の附票
⑧不動産の固定資産評価証明書または課税明細書
司法書士に登記を委任していただく場合、上記①②は当方にて作成しますので、ご準備いただく必要はございません。
代わりに、
⑨Aまたは遺言執行者からの登記委任状(認印)
⑩Aまたは遺言執行者の身分証明書写し(法務局に提出するのではなく、事務所控え)
をいただくことになります。
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旅行はベトナムに行きました。
少し期間が長かったので、日本からPCを持っていくかどうか悩みました。
メールやdropboxの資料は携帯から確認することができますが、万が一旅行中に法務局から登記の補正(不備)の連絡があった場合には、PCがないと対応ができません。
相続登記や会社の役員変更登記を何件か申請しておりましたし、更にベトナムに行く直前に不動産の売買による所有権移転登記と担保設定の登記を申請しており金額が3億円近かったので、散々悩みましたが、万が一の補正に対応できるように結局PCを持っていきました。
ホテル滞在中以外はずっと持ち歩いておりましたので、重くてなかなか大変ではありましたが、結果的に法務局から補正の連絡もなく、そしてPCが壊れることもなく、無事に帰ってこられました。ただ、残念なことに帰国してから数日後に1件補正の連絡がありました…法務局で対応いただける内容でしたので私の方で何かすることはありませんでしたが、より一層気を引き締めて業務に取り組まなくてはならないと反省いたしました。
ホーチミンでのメコン川クルーズと、ダナンの神の手です。