2024.11.27
共同相続人のうちの一部からの登記申請
民法252条ただし書には、『共有物の保存行為は各共有者がすることができる』と定められています。
被相続人所有の不動産について「法定相続分による相続登記」を入れる場合、保存行為として相続人のうちの1人から申請することができます。
たとえば、相続人が配偶者であるAと子供であるBCの合計3人だった場合。
法定相続分はAが2分の1、BCがそれぞれ4分の1ずつですが、この持分を反映させる登記はA、B、Cのうちの1人から申請可能です。Aが申請する場合、BCについては印鑑証明書や委任状などがなくても、AだけでABC全員の共有名義の登記が申請できるのです。
ただし、Aだけが申請人となった場合にはBCについて登記識別情報(従来の権利証にあたるパスワード)は発行されません。不動産の売却や金融機関で借入れをして抵当権を設定する際などに登記識別情報が必要になるのですが、発行されていないBCについては代替の手続を取る必要があり、余計な費用や時間が必要になってしまいますので、その点は注意していただければと思います。
なお、法定相続分で相続登記がされたあとに遺産分割協議が成立したり、他の相続人が相続放棄をしたり、“Bに〇〇の不動産を相続させる”といった内容の遺言が見つかったりした場合には、「所有権更正登記」を申請します。更正登記は相続分が増加した相続人からの単独申請ででき、登記申請の際にかかる税金も不動産ごとに1,000円です。
と長々と書いてしまったあとですが、遺産分割協議が整う前に法定相続分の登記を保存行為で入れているケースは、実は私は見たことがありません。
今回この記事を書こうと思ったのは、遺産分割事件における調停に代わる審判でABCDが4分の1ずつの持分で不動産を取得するとされた場合でも、Aからの保存行為としてABCD各4分の1ずつの持分の相続登記がAの単独で申請できるのかどうかで、少し迷った件があったからです(少し事実と変えています)。
最終的にはできると判断をして登記申請をし、本日無事完了したのですが(申請の際には審判書(確定証明付)、相続人全員の住民票、申請人となる方からの委任状、評価証明書を添付)、あまり聞かないケースかなと思いましたので記事に残すことにしました。
今回に限らずですが、どんな登記でも無事完了すると毎回ほっとします。
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司法書士の勉強をしていたときも、いまも、参考書を読むときには色鉛筆を愛用しています。
最初は赤で線を引きながら読み、2回目は青、3回目は緑と決めていて、それでも覚えられない大事なところは蛍光ペンで黄色、ピンク、緑と色を重ねていきますので、最終的に覚えられなかった部分は茶色のようになっています^^;
色鉛筆は芯が柔らかいので削っている最中によく折れてしまい、立て続けに3~4回折れると本当に悲しい気持ちになっていました。色鉛筆の種類を色々と変えてみましたが、折れやすさはどれもあまり変わりませんでした。
しかし、最近とてもいいものを発見したのです!この鉛筆削りです。
①と②と書いてあるのが見えますよね。これはまず①に入れて削ると、鉛筆の木の部分のみが削れるようになっています。そのあと②に入れて削ると、今度は芯の部分のみが削れるようになっているのです。
堅さが異なる木と芯を別々に削ることによって折れにくくなっているようで、1度でこんなにきれいに削れました!
知り合いで色鉛筆を使っている人を見付けたら、プレゼントしたいと思っています。