2024.11.14
遺留分のお話し
前回の自筆証書遺言で少し触れた「遺留分」のお話しです。
被相続人は生前に贈与をしたり、遺言を書いたりして自分の財産を自由に処分することができるのですが、一方において、民法では「遺留分」というものを定めています。
裁判所のHPの記載を援用しますと、【遺留分とは、一定の相続人について、被相続人の財産から法律上取得することが保障されている最低限の取り分のことで、被相続人の生前の贈与又は遺贈によっても奪われることのないもの】です。
つまり、例えば被相続人が遺言によって全財産を相続人の1人に相続させるとか、第三者に遺贈するとした場合であっても、遺留分権利者は自分の遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することができるのです。
相続人全体が有する遺留分は下記の割合で認められていて、これは強行規定となっていますので、被相続人の遺言によっても遺留分権利者や遺留分割合を変更することはできません。
①直系尊属のみが相続人であるときは、被相続人の財産の3分の1
被相続人に子供や孫などがいない場合には、被相続人の父母が相続人となり、父母がどちらもいない場合には祖父母が相続人となるのですが、その場合には被相続人の財産の3分の1が遺留分の割合になります。
②その他の場合には、被相続人の財産の2分の1
配偶者や被相続人の子が相続人の場合には、遺留分は被相続人の財産の2分の1です。
遺留分を有する相続人が数人いるときには、各相続人の遺留分の割合は全体の遺留分に各人の法定相続分を乗じて決定します。
たとえば、配偶者と子供 2人が相続人の場合には、
配偶者 → 相続人全体が有する遺留分 1/2 × 法定相続分 1/2 = 1/4
子供2人 → 相続人全体が有する遺留分 1/2 × 法定相続分 1/4 = 1/8ずつ
なお、遺言の内容が法定相続人の遺留分を侵害している場合であっても、遺言書は無効となるわけではなく有効です。
法定相続人が納得していればその通り相続させることはできるのであって、遺留分を侵害されている遺留分権利者が遺言書の内容に納得できない場合に、遺留分侵害額の請求が行われる可能性があるということです。
また、被相続人に子や孫がおらず直系尊属も亡くなっている場合には兄弟姉妹が相続人となるのですが、兄弟姉妹にはもともと遺留分が認められていませんので、その場合には被相続人が遺言を残すことによって全財産を配偶者に確実に相続させることが可能です。
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昨日は大井町で相続の勉強会に参加をしてきました。
最近欠かさず参加をしていますので、顔見知りの先生方も増えて勉強会のあとの懇親会もとても楽しくなりましたし、昨日は同業の先生方と同じテーブルだったので、色々な情報交換をすることができました。
そこで2人の同業の先生に「これを知らないのはまずい!」と言われてしまったものがあります、、、
赤外線カメラです。
コンビニ発行の印鑑証明書の裏面には、桜のマークが印刷されています。
それをこのカメラで読み取ると、偽造防止検出画像「証」の文字が浮かび上がるというのです。
いままでコンビニ発行の印鑑証明書については、
①コピーをとると「複写」という文字が浮かびあがる
②スクランブル画像(裏面の砂嵐のような画像)等をスキャナーで読み込んで専用のサイトで確認すると、印鑑証明書の表面と同じ画像が復元される
ことで原本かどうか、偽造がされていないかの確認ができることは知っていましたが、その先生方は赤外線カメラで偽造の有無の確認をしているということでした。
もちろん即購入…
届いたらすぐに自分の印鑑証明書で試してみたいと思います。
交流会などに参加するようになり、同業や他士業の先生方、経営者の方々とお話しする機会が増え、実務書からだけでは学べない多くのことを学べる機会が増えました。
自分が開業したばかりなので、私が出会って話しをお聞きする方は、全員が私より色々な部分で先輩になります。実務に直結する話しはもちろん、開業当時のことや営業方法、初めて受任する案件への取り組み方や個人事業主として苦労されてきたことなど、全てが勉強になることばかりです。
何でも貪欲に吸収していきたいと思います。
ところで、私のGmailスマートリプライ第二弾。
もっとがんばって。